天邪鬼なグレー。

いつものように、ローカルニュースを見る。
これで何度目だろうか、臓器移植を希望する家族の呼び掛けを報じたのは。
一々名前は覚えていないし、病状も覚えていない。
共通するのは未成年(恐らく未就学児)であること。
我が国では受けられない手術もあるので、どうしても海外の医術に頼らざるを得ない。
その費用は莫大で、ある程度資金に余裕が無ければ渡航すら出来ないのが現実。
理不尽と言えば理不尽。
だからこそ寄付を呼び掛け、僅かなチャンスに賭けようとする。
その気持ちは理解出来るし、私が同じ立場に立たされたらやはり寄付を募るだろう。
けれど、自身の臓器すら提供する意思を表示出来ない私は例え僅かな金額でも寄付することは出来ない。
お金で臓器を買うのは道徳的にもおかしいと思うし、それ以前に私が嫌だ。
かといって、いざと言う時は…と書き記す勇気もない。
自分の中に迷いがあるし、それ故家族を説得するだけの言葉もない。
だからだろうか、この手の呼び掛けを見る度「
キリがないよね」と呟いてしまう。
生半可な気持ちで行動出来るものではないし、それなりの覚悟も必要だと考えているから。
…我ながら、天邪鬼だな。