限りなくブラックに近いレッド。

基本、火曜日更新です。

若くはないからこそ。


私がまだ会社勤めをしていた頃の話。
いきなり支店長が私の席に近付き、返信用葉書の宛名を修正しながらこんなことを言った。
曰く、きちんと「御中」に直しているか、と。
当時の私は支店長の言葉の意味が今一つ理解出来なかった。
と言うのも、私にとっては当たり前の作業だったから。
勤務先に届くその手の葉書も、やはり「御中」に直してあったし。
ところで、以前の勤務先では新年に互礼会を開く習慣があった。
日頃お世話になっている業者さんを接待するのが目的だが、その時に届く出欠葉書を見て私は愕然とする。
仮に「嵐商事株式会社」を会社名とすれば、葉書の宛名は「嵐商事株式会社行」と印字される。
この点に関しては異論もあるだろうが、少なくとも私が関わった法人では「行」を使っている。
一方、返信をする側は「行」を「御中」に修正してくる。
一見無駄な行為に思えるが、それが当たり前のことと認識していた私であるが、その葉書には「御中」の二文字が無かった。
こちらが印字したように、「行」のままで戻ってきたのだ。
この時初めて、支店長の言葉が理解出来た。
恐らくそういった習慣を知らなかったとは言え、結果的には会社の恥を晒す形となるのだ。
今更ながら!厳しく叩き込んでくれた上司に感謝したことは言うまでもない。

さて、義父の四十九日法要が今月下旬に行われる。
案内の手紙は旧年中に送付しており、ぼちぼち出欠の葉書が舞い込んできた。
今日も一枚届いたのだが、その宛名を見た時あの支店長の言葉が蘇ってきた。
「行」の部分がそのままだったのだ。

f:id:ippikiohkami:20160105175146j:image

最近でこそはじめから「様」で印字されたものも見かけるようになったが、一般的には「行」で送るのが普通。
それを二重線で消し、「様」に直すのが礼儀とされているが、どうやらそのことを知らない人だったらしい。
これが二十歳前後の若者ならば誰かが注意することもあろう。
けれど、ある一定の年齢(五十代以上と思われる)ともなれば誰にも注意はされない。
この人は常識を知らないのね、で済まされてしまうのだ。
これは怖いことである。
マナー事典等をこまめにチェックし、恥をかかないよう自ら心掛けるしかないのだ。
これは他人事ではない。
近日中に自分用のマナー事典を用意せねば。